風邪をひいた時の漢方薬の選び方とその効果とは!?

風邪をひいた時の漢方薬の選び方とその効果とは!?

Thumb?1414295452 muah♪さん

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現役医師の約90%が、漢方薬を処方した経験があるそうです。それくらい一般的になって来た漢方薬ですが、まだまだ誤解されていることもたくさんあるのが漢方薬です。すぐには効かない、と思っている人も多いようですが、漢方薬は風邪も治せます。

  • 漢方薬と風邪薬はどう違うのか?

  • 漢方薬と風邪薬はどう違うのか?
  • 喉が痛かったり、鼻水が出たり、咳が出たりして病院へ行った場合、風邪薬が処方されます。

    この場合は、症状に合わせて、熱が出ていたら解熱剤、咳が出ていたら咳止め、鼻水が出ていたら抗ヒスタミン剤、というような薬の選び方で処方します。

    肺炎になる可能性がある場合や、のどの腫れが酷い場合は、細菌感染を疑って抗生物質が処方されることもあります。

    漢方薬の場合は、症状だけではなく体質に合わせた選び方をします。また、1つの漢方薬で咳も鼻水も熱にも、というようにいくつもの症状の改善が期待できることもあります。

    体質を改善するのが漢方薬の大きなメリットの1つなので、症状が落ち着いた後もしばらくの間、漢方薬を飲み続けていると、今までは1年に3回も4回も風邪をひいていた人や、毎月の行事のように風邪をひいていた人も、「今年は1回も風邪をひきませんでした」と笑顔で報告してくれることもあります。

    風邪は、誰もが経験する病気であるだけに、開業医では7割くらいが風邪の患者さんというところもあります。西洋薬を嫌がる患者さんには漢方薬を処方する開業医も多くなっていますが、漢方薬は選び方が重要です。

    風邪と言ったら葛根湯、と言った感じで漢方薬を使っている医師もまだまだ多く、漢方薬を良く知らない医師が体質を考えない選び方をしているケースも少なくありません。

    確かに早期の風邪であれば、葛根湯でスパッと治せるのですが、風邪の症状は人によってさまざまです。その時期の風邪の特徴や今年の傾向のようなものはありますが、一人一人に合わせた漢方薬の選び方ができるのが、漢方専門医です。

    漢方医は、患者さんの舌やお腹、脈の状態を診察して、風邪の症状を改善する以外にも冷え性があれば、冷えを改善する漢方薬も選びます。

    西洋医学では冷え性は病気と言った捉え方をすることは少ないでしょう。「冷える」と患者さんが言えば、ビタミンEでも出しておこうか、といった感じです。

    しかし、漢方医は風邪で冷えている場合は、冷えに重点を置いた処方の選び方を行うこともあります。そして、冷えが治ると風邪の症状も治る、ということもよくあります。
  • 風邪のタイプの分け方と症状の違い

  • 漢方薬の選び方で大切なのは、自分は体力が有る方か無い方か、ということです。

    漢方では、体力の有る人を実証、無い人を虚証と呼んでいます。漢方薬の場合は、実証の人に使う薬と虚証の人に使う薬では、選び方が変わってきます。

    みなさんが風邪の時によく使う、定番という感じになっている漢方薬に葛根湯があります。葛根湯は、どちらかというと体力の有る人に使う漢方薬です。

    体力が乏しいお年寄りが葛根湯を使うと、食欲不振になる人もいます。そのような虚証の体質の人、日頃から胃腸が弱くて抑うつ傾向がある人の風邪のひき始めに使う漢方薬には、香蘇散があります。

    香蘇散は香附子、紫蘇葉、陳皮、甘草、生姜がブレンドされたものです。香附子が胃腸の不調を改善します。紫蘇葉(しそ)には抗菌作用や免疫を活発にする作用、発汗して解熱する作用があります。
    陳皮は炎症を抑える作用やアレルギーを抑える作用があります。生姜が体を温めてくれます。

    子どもの風邪には、小建中湯を使うことが多いです。小建中湯で熱も下がります。夜泣きや虚弱体質な子ども、夜尿症にも良いとされています。

    西洋薬の場合は、胃腸が弱いと医師に告げると「じゃあ、胃薬も出しておきますね」と、いった薬の選び方になることが多いのです。しかし漢方薬の場合には、胃腸が弱いという体質に合わせた薬の選び方をすれば、1つの薬でお腹の不調も風邪の症状も同時に治療することができます。

    虚証とは逆に、スポーツで体を鍛えていて滅多に病気などしない体力の有る人が風邪をひいた場合は、麻黄湯を使うことが多いです。

    麻黄湯は、麻黄、杏仁、桂枝、甘草のブレンドです。
    麻黄は交感神経を興奮させる作用があるので、血圧の高い人には向きませんが、若い体力の有る人に良いとされています。喘息や咳やむくみにの有る時にも、よく使われます。

    桂枝はシナモンのことですが、解熱や炎症を抑える作用があります。
    麻黄湯は、平素から体力が有る人の熱性疾患の初期に向いています。頭痛や発熱、悪寒(寒気)、関節痛などに適しています。

    漢方ではこのように、症状だけではなく体質を考えた選び方をします。
  • ひき始めの場合の漢方薬の選び方

  • 漢方薬は、効果が出るまでに時間がかかる、飲み続けて体質を改善するのが漢方薬で即効性はない、と思っている人が多いようですが、これは誤解の1つです。

    漢方薬の中には、すぐに効果が表れるものもたくさんあります。喉が痛い、熱が出た、咳が出るといった症状を短期間でスパッと改善するものもあります。

    風邪のひき始めには、お馴染みの葛根湯がよく使われます。
    名前は知っていても、どのような生薬が入っていてどのような作用があるのかは、知らない人が大半でしょう。

    葛根湯は葛根、麻黄、大棗(たいそう)、桂枝、芍薬、生姜、甘草のブレンドです。

    葛根は、葛(くず)という字が入っていますが、葛もちの葛です。葛根には、発汗を促す作用や解熱作用があります。鎮痙作用もあるので、熱性けいれんを防ぐ作用も期待できます。

    大棗は、強壮作用やアレルギーを抑える作用もあります。
    葛根湯は、頭痛や肩こりにも効果があると言われています。

    葛根湯以外にも、風邪のひき始めの漢方薬の選び方として、麻黄湯を使う漢方医も多いです。
    漢方薬の選び方が上手な医師であれば、これらでスパッと治ることができるでしょう。

    葛根湯も麻黄湯もひき始めの場合に、威力を発揮します。時期がズレると治りにくい傾向があります。時期を外れたものに、いつまでも葛根湯や麻黄湯を使い続けるのは、好ましくありません。
    選び方がはずれた、ということなので、他の漢方薬に変更するのがベターでしょう。

    お年寄りの場合は、風邪からたちまちにして、肺炎を引き起こすこともあります。西洋医学の場合は、熱を下げる薬や咳止め以外に、肺炎を予防するために抗生剤を処方する薬の選び方が一般的です。

    しかし、解熱剤の副作用を抑えるために胃腸薬も処方されるでしょう。
    お年寄りの場合は、既に血圧を下げる薬を2~3種類飲んでいたり、骨粗鬆症の薬を飲んでいたりと何種類もの薬を飲んでいる場合もあります。そこに総合感冒薬やら解熱剤やら胃腸薬が加わると、「薬だけでお腹がいっぱいになってしまいそう」という事態になってしまいます。

    西洋医学のお薬の選び方と違って、漢方ではお年寄りの風邪のひき始めは、香蘇散のみで済むことも多いです。

    こじらさないように早く治して肺炎を予防するには、体力の乏しいお年寄りや胃腸の弱いお年寄りにも、香蘇散が好んで使われています。
  • こじれてしまった時の漢方薬の選び方

  • ひき始めには葛根湯や麻黄湯、お年寄りのひき始めには香蘇散が漢方薬の選び方としてはスタンダードな処方でしょう。

    では、時期を外してしまって、こじらせている場合はどのような選び方があるのでしょうか。

    こじらせてしまった場合には、柴胡剤と呼ばれる柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)や柴葛解肌湯(さいかつげきとう)を使うという選び方が、勧められるでしょう。

    柴胡桂枝湯の柴胡には、炎症を抑えたりストレスを緩和したり、鎮痛作用やアレルギーを抑える作用があります。

    こじらせてしまった、食欲も落ちている、何も食べたくないといった時は、漢方では喉や鼻の炎症が胃腸にも及んでいると考えています。このような時には、柴胡を併用するのがベターでしょう。

    汗を掻かせたい場合には、石膏を加えるという処方の選び方をすることが多いです。
    大青竜湯(だいせいりゅうとう)あたりの処方を考えるでしょう。石膏は利尿作用や発汗作用があります。尿を出して発汗させることによって解熱を促すことができます。

    日本で約39万人が死亡した、1918年から1919年に流行したスペイン風邪の際、初期から高熱を出している患者さんには、大青竜湯を使った漢方医がいたそうです。その漢方医の患者さんは、命を落としてしまった人は一人もいなかった、と言われています。

    こじらすことがないように早めに安静にして、葛根湯や麻黄湯や香蘇散で治してしまうのが一番ですが、もしもこじらせてしまった場合は、いつまでもダラダラとこれらの薬を使うのではなく、このような処方の選び方で楽になるでしょう。

    また、子どもにも漢方薬は使うことができます。
    漢方薬は苦いから、子どもは嫌がって飲まないのではないだろうか、という心配もあるでしょう。しかし今は、服薬が楽にできるゼリーもあるし、場合によっては口当たりの良いアイスクリームに混ぜるという方法を推奨している医師もいます。

    お腹が大丈夫であれば、少しだけアイスクリームを食べさせても良いでしょう。つらい熱をがんばっているご褒美です。
  • 痰が絡んだ咳が出る時の漢方薬の選び方

  • 風邪の症状は治まったけど、痰の絡む咳がずっと続いている、ということもあるでしょう。

    これは、気道が敏感になっていて、少しの刺激で過敏に反応しているためと考えられます。咽頭炎や鼻炎、喘息などが背景に存在していることもあります。

    このような場合に、むやみに咳止めを使うと、せっかく喉の異物を痰で吐き出そうとしているのに、それを妨げることになりかねません。

    しかし、咳は体力を消耗します。また咳が酷くて眠れないようならこれも体力を消耗するし、つらいでしょう。このような咳は何とかしたいものです。

    このような場合は、漢方では麦門冬湯(ばくもんどうとう)を使うことが多いです。
    麦門冬湯は咳を鎮める作用のあるユリ科の植物、麦門冬や半夏(はんげ)、粳米(こうべい)、人参など6種類の生薬で構成されています。

    麦門冬には、咳を鎮める以外に炎症を抑える効果や清涼効果もあります。半夏はサトイモ科の植物で、咳を鎮める以外に吐き気止めや唾液の分泌を促す作用もあります。

    痰が切れにくい時に唾液の分泌を促すことで、痰を柔らかくすることができます。
    痰の切れにくい咳に効果があるとされていて、気管支炎や気管支喘息にもよく使われています。

    粳米は、玄米のことです。滋養強壮作用があるので、咳で体力を消耗している時や、ぐっすりと眠れなくて体力が落ちている時に良いでしょう。

    人参は、主要成分のサポニンが痰や咳を鎮めてくれます。また免疫を強くする作用や、ストレスに対抗する作用、強壮作用もあります。

    麦門冬湯以外にも、半夏厚朴湯や小青竜湯、麻黄湯、清肺湯などが咳がでる時によく選ばれる漢方薬です。

    これらの漢方薬と西洋薬の併用は可能ですが、小青竜湯や麻黄湯に含まれる麻黄は、エフェドリン系の薬と作用が重なります。

    咳には、痰が絡むタイプの湿咳と、痰が絡まない乾咳(いわゆる空咳)がありますが、漢方薬ではどちらのタイプの咳もだいたいカバーできると言われています。

    しかしより効果的に薬を選ぶのであれば、痰の量や痰の性質、急性期の咳か慢性の咳かなど診断も大切です。
  • インフルエンザにも喉の痛みにも使えます。

  • インフルエンザにも漢方薬は使えると聞くと、信じられない、と驚く人が大半でしょう。

    インフルエンザの治療はここ10年ほどの間に大きく進歩しています。予防手段としてワクチンもあるし、タミフルやリレンザ、イナビル、ラピアクタ(点滴です)と言った薬が次々に登場しました。

    これらに麻黄湯を加えると、さらに良い効果が表れると言われています。
    麻黄湯を使った場合は、患者さんにとって体の負担が少ないようです。

    麻黄を使うと、熱が短期間に上がって汗をかいて、サッと下がるといった感じの経過を取ることが多いです。

    西洋薬の場合は、徐々に良くなっていくケースや、上記の薬の登場で、比較的短時間にある程度は良くなるけど、どこかまだ芯がしんどい、まだ完全に元の状態には戻らない日が何日か続くというケースが多い傾向があるようです。

    麻黄湯以外に、桂枝湯を加えたり、咳や痰がある場合は麦門冬湯を加えたり、食欲が落ちている場合は柴胡湯を加えたりと、一人一人の体調や体質に合わせて調整します。

    また、のどが痛い場合は、桔梗湯を使うことが多いです。桔梗糖が喉の痛みにも効果があることは、漢方医以外の医師の間でも比較的認知度は高いです。
    喉の痛みで漢方薬を希望する患者さんには桔梗湯といった、方程式風に覚えている内科医も多いです。

    扁桃腺や扁桃周囲炎、のどが腫れて食べるのもつらい、といった時や、のどが痛くて声が出せない、といった時に良いでしょう。

    喉が痛くなる風邪を繰り返している場合は、小柴胡湯や柴胡桂枝湯がよく用いられています。小児でも飲みやすい味です。

    また、炎症を抑える効果のある石膏を桔梗にプラスしたり、葛根湯に石膏を加えたり、小柴胡湯に石膏を加えたりすることもあります。石膏は急性期の咽頭炎によく用いられています。

    桔梗+石膏で急性期の咽頭の痛みや腫れを乗り切って、そのご柴胡剤で体質改善を図るという方法も、よく用いられる方法です。

    漢方薬は、急性期にも慢性期にも体質改善医も使えます。またお子様にも使うことができます。
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